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2016.9.29

厚真をカッコよく発信できる、クリエイター募集:小さな町で、地域に根付いたデザインをする働き方

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デザインや編集、ウェブ制作…。そういったクリエイティブな仕事は、都市だから成り立つものと思っていませんか。けれど、人口4,700人の町だからこそできる仕事もあります。今年の厚真ローカルベンチャースクールは、大きな事業を立ち上げたいという方はもちろん、クリエイターなど個人事業主も歓迎しています。今回は、地域おこし協力隊・観光振興支援員を経て、フリーランスとしてデザインやイラスト制作の仕事を手掛ける渡辺路子さん(写真左)と、厚真町役場で広報を担う長瀧夢子さん(写真右)の話を、お届けします。

渡辺路子(ロッシグラフィカ)
長瀧夢子(厚真町役場 まちづくり推進課)
文=石渡裕美
写真=吉川麻子

INDEX
1. 「こんなことできる?」で仕事の幅が広がった ↓
2. 地域内の仕事は無限にある。仲間や競争相手が欲しい。 ↓
3. 現在進行形。町の広報ツール改革で魅力を強力発信 ↓
4. 移住者にとって住みやすい環境が整う町、厚真 ↓



1. 「こんなことできる?」で仕事の幅が広がった

– まちづくり推進課の長瀧さんとデザイナーの渡辺さんで力を合わせ、この春から町の広報紙「広報あつま」をリニューアルしたそうですね。まずはそれぞれのお仕事の内容や、これまでの経緯を教えてください。

長瀧:厚真町の出身で、大学で福祉を学んだ後、2010年に町役場に採用されました。最初は窓口業務や町長の秘書業務などを担当していましたが、今年4月にまちづくり推進課企画調整グループへ異動になって、広報・統計調査用務などを主に担当しています。「広報あつま」に関しては、取材や撮影、原稿を書いたりしています。

レイアウトについては、ほぼ路子さんにお任せしています。いつも見やすくオシャレに可愛く構成してくれるので、本当に助かっています。また、行政の立場からだけでなく、町民の目線も加わってわかりやすい広報に繋がっていると思います。

creator_2 小さいころから読んでいた広報あつまの担当になったからには、より多くの人に見てもらいたいと思い、「年配の方も多いので、ページの割り振りやレイアウトなどを大きく変えて、より見やすいものにしたい」と上司に相談したところ、ビックリするくらい快く「いいよ」と言ってくれました。そんなに私が決めていいんだ、というくらい自由に決めさせてもらっています。若い人の挑戦を否定しない雰囲気があるかなと思いますね。

渡辺:私はウェブデザイナーとして札幌で働いていました。ソフトウェア開発の会社だったので、デザインだけでなくコーディングやプログラミングまで手掛けることも多かったんです。そんな時に、知人から、厚真町地域おこし協力隊の観光振興支援員の募集の話を聞き、「いろんなことができて面白そうだな」と応募してみました。

2013年に移住してきましたが、協力隊の任期終了後も、そのまま夫婦で厚真に住み着いて、いろいろな仕事をさせてもらってます。意外なほど、クリエイティブな仕事があるんですよ。当初は、「札幌から仕事をもらって厚真で働く」スタイルになるのかな、と漠然と考えていたのですが全然! 

– まちの方々にも、デザインの力が必要とされているんですね。今はどんなお仕事をしていますか。

渡辺:一番多いのは町役場からいただく仕事で、広報あつまのお手伝いのほか、PRポスターやパンフレットを作ったり、町のキャラクターのイラスト制作だったり。あとは町内事業者の商品ラベルやパッケージ、一次産品の出荷用段ボールなんかのデザインをさせてもらったりしています。正直、地方の町でこんなにもクリエイターを必要としてくれているんだって、驚きでした。

厚真に来て、どこに行ってもみんなが「親しい知り合い」になってくれるのがうれしかったですね。私のこれまでの経歴を聞いて「こんなことできる?」「あんなことしてもらえる?」という形で、いろいろな仕事を持ちかけてもらって、いつの間にか仕事の幅がどんどん広がって。

長瀧:私も、広報の仕事は、いろいろな人と話せるのがいいなと思います。どこへ行っても「大変でしょう。頑張ってね」って声をかけてもらえて。レイアウトを変更したことについても、どんな感想が出るんだろうと、最初はドキドキしていましたが「いいね」と言ってくれる声が多くて安心しています。


2. 地域内の仕事は無限にある。仲間や競争相手が欲しい。

– こういった地方都市にクリエイターの仕事がそんなにたくさんあるだなんて、意外に思えます。

渡辺:札幌など都市部に比べて仕事が少ないのは否めないでしょうけれど、やれる人はもっと少ないので(笑)。仕事の話をいただいても、手が回らずお断りすることも多いくらいです。札幌に外注に出したりしていますね。

creator_3 今までは「デザイン」の概念もなかったけれど、気にするようになった人たちが増えている気がします。「このパンフレットじゃ分かりにくいよね。カラーにして写真も入れたいんだけど、どうすればいいかな」って相談してくれる人もいて。そういう時は、全力で協力してあげたいな、って思います。お店のメニュー、ポスター、商品パッケージ。店の内装だってそうですよね。仕事はたくさんあるはず。仲間がたくさんいればもっといろんなことができるのに、と思うことは多いですね。

– ちゃんと食べていけるだけの仕事があって、自然なども多く環境もいい。フリーランスの方の移住にも、向いているかもしれないですね。

渡辺:厚真町に限らず、地方は地方でクリエイターの生きる道があると思うんです。デザインもですが、印刷会社やウェブ制作など、誰かが仕事を依頼しようとすると1、2社しかない分野がいくつもあるんですよ。印刷会社も、自社デザイナーの都合がつかない時に、私に外注してくれたりもします。ちゃんと、地場の仕事で生きていけてますよ。

加えて、移住者が増えたり、こうしてローカルベンチャースクールも始動して、厚真での仕事はこれからもっと増える予感がしています。ただ、印刷にしろ制作にしろ競争相手がいないこともあって、どうしたって成長ができない環境。ローカルベンチャースクールで人が来て競争してくれたら、互いに成長できていいんじゃないかなあ。あと、チームを組んで仕事をシェアできれば、1人ではできない大きな仕事も受けられるようになりますし。グラフィックデザイナー、ウェブエンジニア、イラストレーター、カメラマン、ライター…守備範囲は何でもいいからクリエイターが増えてほしいですね。


3. 現在進行形。町の広報ツール改革で魅力を強力発信

– 厚真町の広報については、今後どんなことをしていこうと考えていますか。

長瀧:インターネットを使った発信を強化しようと思っていて、取材に行ったときにはできる限りFacebookで発信するようにしています。町のホームページも、町の魅力をまだまだ伝えきれていないと感じることがあるので、改善していきたいと考えています。

渡辺: 今の厚真町ってブランディングができてないと思うんです。町として何を打ち出していくのがいいかも、ほとんど定まっていない。「厚真っぽい」と言える、言われるものがまだないのが現状でしょう。そういうところから、見直していきたいですよね。厚真町は職員さんも、新しいチャレンジに柔軟な方が多いのでやりやすいですよ。

長瀧:そうですね、厚真町の「カラー」はぜひ作りたいな。限られた予算で一生懸命にあがいている部分は、現実としてあります。情報発信って、いくらかけていくら回収できた、と、はっきり効果を計算できるものではないですし、時代によって変わっていくものなので…。いいものを作って認めてもらえたり、効果として人が集まったりしていけば、もっとやりやすくなるだろうなという期待もあります。

creator_4 パンフレット制作や雑誌広告、スマホ向けのコンテンツやツールづくりなど、やりたいことはたくさんあって。広報あつまも、いろんな厚真のよさを発信して、町外の方が読んでも楽しめるものにしていきたいですね。したいことはたくさんあるのに、全然人材が足りていません。路子さんのようにフリーランスでサポートしてくれる人がたくさんいたら、あつまの魅力をもっと多くの人に知ってもらえるのにって思いますよ。

渡辺:やっぱり、行動につながるものを作る必要があるなと思うんです。例えば、私たちがホテルを予約する時に、ウェブサイトを見て「いいな」と思って、予約しますよね。それと同じように厚真のウェブサイトを見て、いいなと思って実際に訪れたり、移住を考えたりしてくれるものになったらいいですね。

そのためには、サイトって「育ててなんぼ」みたいなところがあると思うんです。でも、これまでは「作る」ことしか考えてこなかったんじゃないかな。作ることが目的で、ローンチ=エンド。メンテナンスの大切さをもっと主張していかなきゃなって思ってます。「伝える」つもりで作ることが大切だし、実際に伝わっているのかなっていう確認作業が大事なところで…。町がどんどん変わっていくのに合わせてホームページも一緒に更新、成長していくものでなくてはいけないんじゃないかな、と。そういう風に育てていくためにもね、もっと必要なんですよ。仲間が。


4. 移住者にとって住みやすい環境が整う町、厚真

– ところで、渡辺さんは札幌からの移住ですよね。移住者にとって厚真ってどんなところですか。馴染むまでに苦労などはありましたか?

渡辺:コミュニティの絆、つながりといったものは強いと感じますね。だけど排他的じゃないですよ。「どっから来たの」と声をかけられて、ちゃんと返事をすれば受け入れてもらえる。そして3日後にはみんなが知ってる。本州から来た人に対しても「なんの仕事してるの?」とは聞くけれど「どうして厚真に来たの?」とは聞かないですねえ、厚真の人って。移住者慣れしてるのかもしれないですね(笑)

警察官と赴任してきた学校の先生しか移住者がいない、っていうような地域とは明らかに違いはあるでしょうね。移住してきた人に関する情報はあっという間に広まるけれど、差別や悪口がないのはすごい、いいなって思いましたね。「田舎大嫌い」という人じゃなければ、楽しく生きていけると思う。「田舎が好き」じゃなくても、嫌いじゃなければそれで充分OK。

長瀧:町役場の職員にも町外から移住した人やUターンした人が多いんですよ。職員としても、ウェルカムな雰囲気は確かにありますね。移住者や町民による起業を支援したり、子育て応援の仕組みも整っていると思うんです。子育て支援住宅もありますし、保育料が安く、待機児童もいない。ぜひ積極的に、いろいろな方に厚真に来ていただけたらなと思います。

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– 移住者にとって住みやすい環境が整っている厚真町。「住みたい場所で働く。クリエイティブ系事業者募集!」にもある通り、デザイナーや編集者、ライター、カメラマンなどが活躍できる仕事は、これからも増えていきそうです。さらに自分で仕事を切り開く気持ちがあれば、鬼に金棒!喜んで応援してくれる仲間もたくさん待ってくれていそうな厚真町で、新たなキャリアをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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厚真ローカルベンチャースクール2016
http://guruguru.jp/atsuma/lvs

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